日曜日の早朝に自宅を出て、羽田空港→宮崎空港、そこから、事業の事務局の人たちとレンタカーで延岡まで走り、その日は当地で宿泊、翌朝、日向で「架線式グラップル」の稼働現場を視察した。架線式グラップルは、リモコンで、グラップルを移動させ、丸太を掴んで集材する画期的なもので、先山での荷掛けの工程が省けて、安全性が高く、集材機も無人、基本的に2人でリモコンでの集剤が可能になり、条件のいい現場だったり、操作の技術が向上していくと、現場での生産性もどんどんあがるだろう。
一昨日と昨日は、林野庁事業の「新しい林業・経営モデル実証事業」の、評価委員会で、丸2日間、飯田橋の会議室で、全国12地域での取り組みの成果を検討した。この委員会の座長は、酒井秀夫先生で、酒井先生とはもう15年くらいのお付き合いになる。この委員会では、私なりに、地域森林管理や林業事業体の経営、人材育成、待遇改善等の観点から、意見を開陳している。こういった委員会は、多分にボランタリー的な側面があるが、長年、お世話になってきた林業界に対する「最後の奉公」という意味合いもある。
丸2日間、結構気合を入れて委員会に臨んだら、結構疲れてしまったので、昨夜は、30年来通っている赤坂の店に行き、1歳年下のママさんと、いろいろな話をしながらウイスキーを楽しんだ。おかげで、少し頭がリラックスしたような気がする。結局、今回は宮崎・延岡で1泊、東京で3泊することになり、ホテルでの独りの時間も結構多く、部屋でウイスキーをのんだり、本を読んだり、ものを書いたりと、有意義な時間を過ごすことができた。
宮崎はとても暖かかった。東京も少し冷えたが、私の住む蓼科は、まだまだ寒い。来週くらいから、この寒さも緩んでくるものと思っているが、幸いにして、体調も良く、今年度の仕事も何とか無事に終えられそうで、少しホッとしているところだ。こういった委員会も含めて、自分に期待されている役割というものを十分に認識して、来年度も頑張ってみようと思っているところ。昨夜、店のママさんから「何となく、伊集院静に雰囲気が似てるね」といわれて正直嬉しかった。その佇まいから、その人の生きざまが伝わってくるような、そして、それが相手にとって心地よい、そんな味のある人間になりたいと思う。
株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。