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林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

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最後の晴れ舞台と思いつつも

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 昨日、東京・新木場の木材会館で開催された「令和6年度イノベーション現場実装シンポジュウム」 には、全国から260名の参加者があり、独特の熱気に包まれていた。今回のシンポジュウムでは、「 新技術が拓く林業の未来」と銘打ったいうサブタイトルの如く、木材に高い付加価値をつける技術開発や製品 開発、林業機械の自動化、新しい林業経営モデルの実証等の事例が発表された。私自身、林業界に身を置いて22年目に入ったところだが、ここ数年のデジタル化やICT、AIの活用、DX等による、施業 現場の技術革新には目を見張るものがある。こうした取り組みで、林業界の悲願であった「林業の真の成長産業化」が、近いうちに実現するかもしれないという、大きな期待を持っている。

会場の様子(令和7年2月5日)

 昨日のシンポジュウムでは、この3年間、林野庁事業である「新しい林業経営モデル実証事業」の 有識者会議の委員を仰せつかっていることもあり、最後のパネルディスカッションで、パネリストの 一人として登壇することになった。私のような「裏方」の者が出張るような場ではないのかもしれないが、ご指名ということで、自らの立ち位置で、きちんと指摘しなければならないことを開陳しようという気持ちでこの場 に臨んだ。

当日のパンフレットから

 森林・林業界における自分の役割は、担い手と呼ばれる、林業事業体(森林組合・民間事業体)の経営力を強化し、収益を向上させた上で、その分配としての従事者の所得向上と森林所有者 への収益還元を図っていくことである。それらを、経営コンサルタント(中小企業診断士)としての助言やサポートによって実現しようとしている。数多のイノベーションによって、いわゆる意欲と能力のある林業事業体が、自社の経営を革新し、 収益改善をしていく、これまで4人でやっていた施業を3人で、2人で、さらには1人で遂行することで、彼らの所得(年収)を、全産業平均の460万円(税込)レベルに近づけていく。いわゆる「普通 の会社」の処遇に林業特有の「仕事のやり甲斐」が相まって、有為な人材が林業界に定着し、林業の 未来を切り拓いていくことを企図している。また、長年の懸案である、木材価格もグローバルな動静 を見据えながら、非住宅分野での展開や新用途の開発などで、再造林をまかなえる山元立木価格を担 保できる水準にもっていくことによって、我が国なりの持続可能な森林管理が視野に入ってくる。
 
 私や私の会社の森林・林業界への貢献など微々たるもので、木材市況など、マクロなところにリーチが届かないという隔靴掻痒はあるが、21年余り自分なりの事業領域で奮闘してきて、確かな足跡 ・成果を残してきたという自負もある。その延長線上で、(株)fewtという「新しい林業経営」を志向す る林業事業体を地元蓼科で設立し、3年かかって、そのための事業地も確保したところ。林業の実践にも携わりなが ら、山側の人たちと「林業の未来」をともに模索し創造していければ幸いだと思っている。

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