昨年11月7日の、衆議院予算委員会における、立憲民主党(当時)の岡田克也議員の高市総理に対する、「存立危機事態」にかかる質疑をみて、ある種の違和感を抱いた人は少なくなかったと私は思っている。少なくとも、私自身は、岡田氏の質問の仕方や、物の言い方などに対して、「確信犯的」であり、「何かの意図を持った」発言だと直感した。結果的に、あの質疑が、ネット界隈などで炎上し、その後の衆議院総選挙において、旧立憲民主党の大敗につながった。その意味での、岡田克也議員の責任は相当重いと云える。

そもそも、「存立危機事態」といった、国防上における最重要の問題について、公開の場である予算委員会で、軽々に取り上げるべきではない。台湾有事の問題にしても、政府として、何段階かの危機に対するシミュレーションが設定されていて、それらが発生した際に、状況を鑑みて、対応策を決断し講じていくものだ。岡田克也議員の質問は、政府のトップであり、決断者である高市総理に対する「誘導尋問」ともみえるし、一定の公式回答を引き出そうとする「工作」にさえ私にはみえた。
結果として、そんな同氏が要職を務めてきた、立憲民主党と公明党が、自民党に対抗するため、また、選挙で生き残るために、政策の齟齬を承知で合同(中道改革連合)したことで、「野合」とされ、歴史に残る大惨敗になった。そして、その口火を切ったのが、上記の、「岡田質問」だった。個人的には、「最悪の展開」だったと思っている。我が国には、タカ派保守と拮抗するハト派保守勢力が必要で、現在においては、後者が「健全野党」を形成することが望ましいのだ。
かつての民主党は、ほぼそういう位置づけだったと私は思っている。そして、2009年から3年3ヶ月ほど、民主党が政権を担った。そこには、国民の期待感があったからで、その期待感の表れが、308議席という圧倒的多数になった。しかし、民主党政権は、失政続きで、政権を失った後、(国民ではなく自分たちの勝手な都合で)集散離合を繰り返し、その断末魔的現象が、今回の大敗だったと云える。
高市政権の、次なる政局の要諦は、自民党内におけるリベラル勢力との対峙と一定整理であろう。今回、高市人気に乗っかかり当選した議員も含め、高市総理が、どのような「決然たる措置」を講じていくのか、そして、憲法改正等の改革を見据えながら、公約を次々と遂行していくのか、大いに注目されるところだ。そして、そこに、かつて民主党政権を担った、小沢一郎氏や岡田克也氏、海江田万里氏ら落選組が、抵抗勢力として関与する可能性はほぼゼロに近い。その意味でも、岡田克也氏の「愚かな発言」は、極めて罪深いというしかない。
株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで470超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。