メジャー大会である、全英女子オープン選手権で、日本の山下美夢有プロが、見事に優勝した。日本の女子プロによるメジャー制覇は、樋口久子プロ、渋野日向子プロ、笹生優花プロ(2回)、古江彩佳プロ、西郷真央プロに続いて6人目の快挙である。彼女は、150センチと小柄で日本国内では通用しても、大型選手の多い海外では勝てないだろうと言われていた。先にメジャーを制覇した古江彩佳プロは153センチであり、そんな通説を覆したのだが、これに続き、山下プロが小柄で華奢な体格でも、海外での試合で勝てるということを証明した。

彼女のプレースタイルは、ドライバーからパットまで、精度の高いショット・パットを一定のリズムで積み重ねていくというものだ。飛距離が出ない分、精度の高さでこれをカバーし、チャンスには思い切ったプレーでチップインなどを狙い勝機に結びつける。メンタルが強いというのも、頷けるところがあるが、どういう場面でも、一定のリズムを崩さないという「自己制御」に長けたゴルファーだという印象を、彼女がデビューした頃から感じていた。
今回の優勝で、彼女は2億1,600万円という、桁違いの賞金を手にした。しかし、それだけの価値のある素晴らしい優勝だと云える。世界の強豪が出場する場で勝ったのだから、彼女の実力は、もはや世界トップクラスである。渋野日向子プロや原英莉花プロのような華やかさやスター性がないものの、職人気質の技術力で淡々とバーディーや難ホールでのパーをとってくる。私などは、彼女のような選手こそが、プロのゴルファーなのだという気がする。そして、こつこつと地道な練習やトレーニングを人一倍積み重ねていることも明らかで、「凡事徹底」ということの重要さを、改めて彼女に学んだようで、刮目しているところだ。

株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで470超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。