2004年 ビジネスマンバイブルより

ビジネスパーソンにとって、ビジネスシーンは基本的に戦場である。そこは、性善説では到底通用しない権謀術数の坩堝である。ビジネスシーンにおいては、片時も気を抜いてはいけない。名刺交換さえ、時には敢えてしないことも必要である。それは、会社内でも同じで、その会社の構成員としての顔と個人の素顔が必ずしも一致していいわけではない。社内では社内向けの言動というものが厳然として存在すべきである。
それでは、家庭において素顔をさらけ出すことができるか。これも、時と場合による。家庭においては、夫の顔であり、父親の顔があり、それは、必ずしも自分の素顔とは一致しない。もちろん、それが一致するのが、あるべき状況であり、望ましいのだが、現実は違うことが多い。 そこで、自分の素顔をさらけだすことができる「第三の場」が必要になってくる。それは、利害関係のない人間関係にのみ創出される。例えば、高校・大学の同級生であったり、異業種の友人であったりする。
そういった、「第三の場」を確保することが、ビジネスシーンで精神衛生を健全に保つ秘訣であり、仕事をより円滑に、充実させて遂行する必要条件になっていくのである。 仕事の場と家庭と第三の場が、トライアングルでうまく結合しあってこそ、社会人としてのバランスのよい成長が可能になるのだ。

株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。