蓼科での生活は、10年目に入り、当然ながら10回目の冬を迎えている。ここに来た頃は、冬の寒さが厳しすぎて、和歌山県生まれの私にとって、辛い試練となった。正直なところ、厳冬の時季はどこか暖かいところで滞在したいという思いが強かったが、そんな身分でもなく、これまで9回、標高1300mの厳冬を何とか凌いできた。ところが、「人間万事塞翁が馬」の例え通り、この寒さも案外悪くないという実感が、昨年あたりから湧き始め、この冬はそのことを平常心の中で消化している感じがする。具体的にどういうことかというと、この寒さは、自分の力で変えることのできない自然現象なので、そこは割り切って、所与のものとする中で、逆に厳しい寒さの中で愉しめることを探してそれを追求しようという一種の「切り替え」モードに入っているということだ。
その一つが、厳しい寒さの中で、温泉に浸かって心身を弛緩させるという愉しみである。ここ東急リゾートタウン蓼科には、「鹿山の湯」という温泉施設がある。鹿山というのは、この地域の地名であり、当タウン内に温泉が湧出している。内部は写真のように、広々としていて、サウナもあり、屋外には露天風呂もあって、文字通り、リゾート気分で温泉に浸かることができる。自宅からここまでは車で2分ほどであり、湯冷めをしない距離でとても重宝しているのだ。
昨夜からの降雪で、このあたりは一面雪景色となり、午後からこの鹿山の湯に行き、雪を見ながらゆっくりと温泉に浸かってきた。回数券を買えば、1回あたり666円で入ることができる。ホテルなどのチェックイン前の時間に行けば、特に冬場は入場者は殆どおらず、静寂の中で温泉に浸かり時を過ごすという、珠玉の時間を愉しむことができる。温泉に浸かり、少しだけ外の空気に触れて、また温泉に浸かると、自律神経の調整にも効果的ということで、2回くらいそれを繰り返す。行き帰りの時間も含めて1時間ほどの入浴だが、「厳冬期の愉しみ」の一つの柱がこの温泉通いになっているのだ。
株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。