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地域の森林管理は地域で主体性を持ってやるべき

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奈良・吉野の皆伐跡地(2023年11月8日撮影)

 国の森林環境税が、来年4月から施行され、地域における森林管理の「ピン止め」の始まりになる。森林経営計画でカバーできない特に人工林を、森林環境税による「森林経営管理制度」で、どこまでカバーできるかというところだが、これは、その地域の事情でまちまちの状況になる。いずれにせよ、地域における長期の森林管理において、重要になるのは、それを実行する担い手の体制である。そして、その前提として、地域の森づくりについての長期ビジョンが明確になっていなければならない。

 先日、林業関係者が集まる、ある会合に参加した際、どこかの行政機関と思しき人物が、「自分の地域の林業のことは、自分たちでやらなければならないと思っています。外部のコンサルタントなんかは信用ならないのです」と言っていた。私は林業専門の、我が国唯一の経営コンサルタントなのにと思いつつ、「できるかどうかは別にして、基本的に、それは正しい考え方です」と心の中で、その人に声なき声を送ったものだ。

 その地域に住んで、生活をして、林業に関わる人たちが、力を合わせて、地域の森林をまもり、育てていくのは、至極当然のことだ。なまじ、森林環境税(今年度までは譲与税)が市町村に配分されるからといって、それを狙って、地域外の者が、当事者がやるべき森林管理を代行しようとするのは、筋違いといえる。例えば、ゾーニングという概念がある。森林の公益的機能別に区分していくという取り組みは、長期的な森林管理の基本中の基本になるが、これを、外部の機関やコンサルタントに丸投げして、それに基づいて施業計画を立てるというようなことをやっている市町村も多いと聞く。

 ゾーニングこそ、その地域で生活をして、森林の恩恵を受け、また、荒廃した森林を案ずる地域の当事者が、自ら山林を歩いて策定していくべきものといえる。さらにいうと、行政機関と実際に施業をする事業体、あるいは川中の事業者の間に立って、長期ビジョンに基づいて、適正で計画的な森林整備を進めていく、コーディネーター的な人材も地域にいて、彼らと常に協働していくことが望ましい。また、そういう人材を確保し育成していかなければならない。それも森林環境税の使途となる。

 ゾーニングにしろ、長期ビジョンにしろ、施業計画にしろ、それらを策定するということは、その結果にも責任を持つということになる。その地域に住んでもいない者が、その責任を負えるだろうか。答えは否である。それが明らかなのに、長期ビジョンの策定などを提案する行為は、無責任だといわざるを得ない。遠方から、突如、渡り鳥のごとく到来して、虫食い的な間伐や皆伐をやる事業者などはもっと悪質である。

 私のところには、地域に活動の拠点を定めて、コーディネーターや事業体支援、人材育成などをライフワークにしたいという人達からの相談が、ここにきて多くなってきている。まさに、一所懸命で、その地域の利害関係者の一員として、林業や地域振興に少しでも貢献したいという、特に若い世代の人材の存在は、まさに地域の宝であり、是非とも、頑張って、自らの使命感とビジネスというものを両立させてほしいと願うものだ。そして、彼らの背中を押したり、足りないところを補完したり、彼らの支援者としての存在でありたいと思っている。

 

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