フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

世代間ギャップ≠分断

投稿日:2023年2月17日 更新日:

 今日の蓼科は、快晴で、気温は低いが日差しは暖かい。来週半ばあたりに最後の雪が降り、その後は、一気に春に向かっていく気配で、長い冬も漸く終わろうとしている。この時季の定番の曲は、何と言っても「なごり雪」であり、伊勢正三の名曲でもある。私が最も好きなフレーズは「いま、春が来て きみはきれいになった」である。別れる恋人を「きれい」だと言える、複雑な心情を見事に描写していると、この曲を聴くたびにいつも思うのだ。

今朝の自宅前の風景

 最近、LGBTQ(性的マイノリティの総称)とかDiversity(多様性)など、横文字に凝縮された、キーワードが飛び交い、ビジネスシーンや生活面でも、そういうことに留意しないと、企業活動や日常生活がうまくいなかいかのような論調が世の中の標準になってきている。そこについて、議論することさえ許されないような空気もあり、普段、そんなことは「社会的常識の範囲」で判断すればいいと思っている人間にすれば、「何故、ことさらそれを前面に出すのか」という疑問を禁じ得ない。そういう思いを持っているのは、私だけではあるまい。

 それとは、かなり観点がずれるが、Generation Gapという言葉がある。「世代間における価値観の違いやずれ」と訳されているが、前述のキーワードよりも、現実的で、身近な概念で、かつ普遍的、誰もがそれなりに感じているものだろう。一世代を10年と定義すると、それを超えた年齢差には、多い少ないはあっても、ジェネレーションギャップというものが存在するということになる。

 私の世代(昭和30年代)だと、10歳程度年長の「団塊の世代」とのジェレレーションギャップが甚だしい。私はそのことを、大学卒業後、放送局に勤めた際に、いやというほど思い知った。報道記者としてのスタートだったのだが、直近の先輩が、10代程度年長の団塊の世代だったのだ。要するに、学生運動の洗礼を浴び、また、その残滓を引きずっている世代である。正直なところ、私は最後まで彼らの頭の中とか思想というものを理解できなかった。

 自分なりに、はっきりとわかったのは、「彼らには、自身の思想とか哲学とか、信念などというものが存在しない」ということだった。要するに、「流されるまま生きている」ということ。「生命かけてと誓った日から…」というフレーズで始まる「あの素晴らしい愛をもう一度」という団塊の世代の名曲があるが、社会人としての彼らからは、「仕事に対して賭けているもの」とか「理念」といったものを何ら感じることはなかった。

 それから40年余りの歳月が流れ、彼らの世代はビジネスシーンからは殆ど退場し、殆どが年金生活者になっている。その後の世代である我々も、65歳という「年金受給世代」に突入しているが、まだまだ、現役で頑張ろうとする(諸事情によって頑張らざるをえない)人間が圧倒的に多く、今度は、下の世代とのジェネレーションギャップに葛藤しつつも、何とかうまくやっていこうとするのだ。

 最近、自分の周りに30代の世代が、結構集まってきてくれているという事実があり、それは、ジェネレーションギャップを超えているというよりは、「価値観が近接する」ないし「価値観を共有できる」というところで、つながっているのではないかと考えている。時代が変わっても変わることのない価値基準に基づいて、かつお互いを認め合う関係性の中で、世代を超えた交流や協働が生まれるのだと思うのだ。そして、それは他の価値観を持つ人たちを排除する「分断」ではなくて、一種の「棲み分け」であり、もっといえば、その人独自の「理念」や「哲学」に帰結していくのだろう。

-未分類

関連記事

自らの存在理由と使命を自覚しつつ日々活動を続ける

 例年、4月と5月は仕事が少なく、6月の声を聞いてから、いろいろな案件が動き出すのが常になっているが、コロナ禍のさ中にあったこの2年余りは、社会そのものの経済活動が停滞し、私の活動も例外ではなかった。 …

no image

若きチャレンジャーに幸あれ

 大手居酒屋チェーンのワタミグループの関連林業会社で、森林施業プランナーとして、大分県において森林整備や管理をしていた若者が、このたび、新会社を設立し、森林管理や整備専門の林業会社として活動を始めるこ …

no image

GSも好きになれなかった理由

 前回は、少年時代からビートルズの曲が心に響かなかった理由などを書いた。あくまでも、私個人の体験談であり見解だ。ビートルズのファンや信奉者を愚弄する気はないし、どんな音楽を好きになろうとその人の勝手で …

森林は何を語るのか

 蓼科に来てから、自宅回りの森林の中を散策することが、日課になり、特に天気のいい時には、思索を巡らせながら小一時間歩くのが楽しみになっている。春夏秋冬、森林はその姿、佇まいを変化(へんげ)させながら、 …

良き人材を育てる

 先週は、水曜日から金曜日まで、鳥取県のプランナー2次研修だった。1次試験を合格した14名の受講者が倉吉市内の会場に集い、3日間みっちりと、実践的な研修に臨んだ。運営を請け負うチーム・フォレストミッシ …