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森林施業プランナー育成への想い

投稿日:2019年8月7日 更新日:

森林施業プランナー育成研修の最中なので、森林施業プランナーについて触れようと思う。森林施業プランナーは、林業における、重要三人材(他は森林総合管理士・現場技能者)に位置づけられている。私は、専ら、森林施業プランナーの育成や支援に長年携わってきたこともあり、この人材には相当の思い入れがあり、また、三人材の中でもとりわけ大事な人材だと考えている。平成24年度から始まった認定制度で、輩出されたプランナーは、現時点で2,133人になり、相当なボリュームになった。

 先日、ある林業事業体を訪問した際、認定プランナーがいて、彼がいうには、「プランナーの資格を持っていると森林所有者に言ったら、相手が自分の話を信用して聴いてくれた」ということだった。私はその話を聞いて、正直、とても嬉しかった。認定森林施業プランナーには、業務上のメリットはない。いわゆる名称独占資格になっている。そのことで、せっかく苦労をして取得した資格なのに、メリットがないというのはおかしいという声が当初からずっとある。認定制度が始まって7年経ったこともあり、さすがにそういう声も沈静化してきた感があるが、さきほどの声のように「プランナー資格を持っていること自体が、森林所有者から信用される要因になった」ということを聞くと、「そのこと自体がメリットなのだ」と我が意を得たりする。

プランナー現場実習の様子 講師はチーム・フォレストミッションの内田健一氏

 もちろん、具体的な業務メリットがあった方がいいに越したことはない。2年前、「山林」10月号にも書いたように、例えば、「森林経営計画の申請には認定森林施業プランナーの署名が必要」といったものも想定される。当初の国家目標だった2,100人の認定をクリアした今、そろそろ、そういうことも検討していくべきだろう。プランナーは、現場技能者とともに我が国の林業にとっての宝となる人材である。彼らの活動をもっと充実させて、待遇も改善しながら、「新たな森林管理システム」にも対応し、地域の森林の広域の管理を担っていく「事実上のフォレスター」として、活動領域を拡大し高度化させていくのだ。そういう人材を各地で澎湃と輩出していくこと、これが森林・林業再生にとっての大きな起爆剤になると私は確信している。

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