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経営コンサルタントという職業についての内面での葛藤

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 私の職業は、企業や団体等の経営者に、経営における課題や問題の解決や改善についての助言をする、いわゆる、経営コンサルタントというものである。前にも何回か書いたように、この職業に就いている者は掃いて捨てるほどいるが、その能力や実力、そして人格は玉石混淆であり、自分の職業を揶揄したくはないが、ろくな人間がいないのが現実である。つまり、言葉でもってプロフェッションナルとしてやっているのに、その言葉に責任を持たない「無責任な」自称経営コンサルタントが多すぎる。中小企業診断士という国家資格もあり、私も一応その資格者ではあるが、それは、ただ、経営コンサルタントとしての一通りの知識を持っているというだけの証明以上のものではなく、その人間の人格や実力を保証するものではない。

 ホームページ用に撮影した近影

 我々は、経営をする者(経営者)ではなく、経営者に助言をする者である。そして、安い高いはあっても、報酬をもらってプロフェッショナルとして助言をするのだから、その助言は経営者にとって有用なものでなければならない。経営の一般論を無理矢理にその企業の経営課題の改善などに当て嵌めようとする経営コンサルタントがよくいるが、こんなのは全くの論外である。あるいは、経営者に対して「このようにしなさい」と強制的、あるいは高圧的に持論を押しつける手合いもいるが、あなたは一体何様かと言いたい。

 プロの助言者は、自分の言葉に責任を持たなければならない。そして、間違った助言をしてしまった場合は、その旨を先方に告げて、率直に謝罪をしなければならない。それ以前に、経営者に対して真っ当な助言をするに足りない者は、この職業に就くべきではない。私自身、経営コンサルタントを20年余りやっているが、本当に私のような者がやっていい職業なのかということを、ずっと自分の内面に問いかけ、葛藤してきた。

 この写真に写っている、坪野克彦という人間は、果たして、経営者に有益な助言を常にできる能力と人格を備えた経営コンサルタントなのか。そのキャリアは20年を超え、62歳というそれなりの年齢にもなった。しかしながら、私自身の林業界における役割はまだ道半ばであり、まだまだ、やらなければならないことが山積している。「やりたいことよりも、やるべきこと」を、専ら優先して遂行していくべきだと考えて、専門家集団「チーム・フォレストミッション」を立ち上げたという経緯もある。

 プロフェッショナルの助言者として、自分の言葉に責任を持って助言をしていく。その積み重ねしかないのだと思う。本物と偽物は、おのずとマーケットが峻別するだろう。聖人君主にはなれないが、人格を高めていくための研鑽を続けていくことも大事だ。そして、自分自身に嘘をつくことだけはしたくない。経営者の人たちに真摯に助言し、少しでもその企業や組織が良くなってもらう、そのことを至上の目的として、これからも、地道ではあるが、自分が信じる道を真っ直ぐに進んでいこうと考えているところだ。

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