森林施業プランナー研修や現場技能者研修をやっていて、つくづく実感するのは、プランナーも現場技能者も林業における技術者であり、林業を実践する人だということだ。そして、その現場で林業に従事する技術者に対して、森づくりや間伐技術、路網の設計、作業システム・工程管理などを教える指導者は、すべからく、そういったことを実践してきた実務者である必要があるということだ。さらにいうと、実践の経験を踏まえた「わかりやすい講義なり実習を遂行する」能力が高いということも大事だ。
私自身は、林業の実務者ではなく、本来の事業領域は経営者に対して、経営等の助言をする経営コンサルタントである。だから、知識レベルでは、現場のことにも言及できても、技術面での指導をすることなどは到底無理である。その点、チーム・フォレストミッションのメンバーである、湯浅勲さんや内田健一さん、浦部秀一郎さん、横山繁樹さんは、長年、林業の現場で実践を積んできた人たちなので、プランナーや現場技能者の人たちに対して、的確な指導ができる。実は、そこがチーム・フォレストミッションの強みだと思っている。
経営者や経営管理者に対して、林業事業体における経営等の助言においては、16年に亘って、培ってきた私なりのノウハウで、有益で実戦的な内容を提供できると自負している。そして、その助言の範囲は、より効率よく事業地を確保したり、より生産性の高い作業システムで施業を遂行する必要性などにも及ぶことが往々にしてある。しかし、実践するのは、あくまでもその事業体であり、私にできるのは、その後の取り組みの成果というものを確認して、次の助言をしていくことだ。
チーム・フォレストミッションのメンバーで、その実践の部分の指導を担ってもらうことが、その林業事業体にとっての大きな成果を生む原動力になると、自分の中では確信を持っている。つまり、私なりが、その事業体の経営課題なり解決・改善すべき問題を指摘し、その方策を示唆する。そして、特に現場での個別の課題について、チーム・フォレストミッションのメンバーが、専門的な指導・サポートをする。これによって、かなりの部分で、課題の解決や改善ができるのではないかと思っている。チーム・フォレストミッションの本格的な活動は、まさにこれからである。1つ1つの案件において、確実に具体的な成果を出していきたいと決意を新たにしているところだ。
株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。