林野庁事業で、「低層建築物(住宅等)における効率的なサプライチェーン構築支援事業」という事業がある。現時点で、茨城・富山・岐阜・京都・高知・長崎・大分・北海道・山形・福島・三重の12地区で、木材サプライチェーンマネジメントの取り組みが進んでいる。当職も林業経営コンサルタントとして、この事業に関与しているが、川上・川中・川下の関係者が、利害を超えて、木材の生産・流通・加工・利用の最適化を図るという取り組みに、大きな期待をしているところだ。
木材サプライチェーンマネジメントの仕組みが、きちんと導入され、機能していけば、ウッドショックなどという、外的要因に怯むことなく、適正範囲の木材供給が継続され、需要側のニーズに適合した木材や製品が供給されるようになる。その取り組みは、コロナ禍やアフターコロナでのビジネスにおける価値観の変遷の中で、加速されるだろうし、私もその拡がりと深まりに期待したい。この事業がさらに続くことが望ましいが、そうでなくとも、上記以外の地域でも、SCMが澎湃と生まれ動き出すことを待望している。
株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。