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若手経営者との実のある対話

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 先週の経営者向け研修には、30歳代から40歳代の経営者が参加し、林業事業体の経営について、共に真剣に考える場となった。いつの頃からか、私の役割において、経営層に対して、経営というものを語り、現状の経営をよりよくしていくための改善や改革について助言することが多くなった。林業や木材産業の経営層は、通常は、私よりも年長の人たちが多い。時々、青年部的な若手の経営者達と語り合う機会もあり、かなり年下の彼らと対話する時間がとても充実していることを、このところ実感しつつ、嬉しく思っている。

 私自身にも、中小企業の経営者だった経験があり、組織運営や営業、資金繰りなど、彼らの葛藤や苦しみはよくわかる。その上で、彼らの口から出てくる問題意識や事象に対して、私が適宜助言をする。もちろん、定型の助言などなく、その内容に応じて、例え話をしたり、自分自身の経験を話したり、他の経営者に助言をした際のエッセンスを話したりする。その時、私の助言を真剣に受け止めてくれる彼らの表情をみるにつけ、私のような存在はやはり必要なのだと改めて思ったりするのだ。

 思い返してみれば、自分自身が経営者だった頃、自社の経営について、腹蔵なく相談できる人など正直いなかった。経営の意思決定は経営者自身がするもので、必要以上に他人に寄っかかるものではないにしろ、意思決定に至るまでに、いろいろな選択肢の存在も含めて、有用な助言をしてくれる存在というものは、やはり貴重だ。経営コンサルタントは、そのためにいるといって過言ではない。

 日々、真剣に経営を考えて、意思決定し、行動している経営者が、私の助言を必要とするのであれば、できる限りそれに応えていきたいと思う。それも、何気ない会話の中で、それができるのであれば、私は自分の任務として率直な助言をしていくつもりだ。特に、これからの林業界を担う若手の経営者には、そういうことをしていきたい。我が国の林業にとって、担い手となる林業事業体の経営者育成・支援は極めて重要な命題でもある。

 明日も徳島で、そういう経営者達と語り合う機会がある。時間が許す限り、彼らの生の声を聴き、それに対して、彼らが前を向けるような有益な助言をする。そのこと自体が、私がこの業界で生きていく上での存在証明であり、私の役割そのものでもある。私の職業は「言葉でもって経営者等に助言をする」ものだ。その言葉には、確たる信念に基づいた重みというものが必須で、また、発した言葉自体には、相応の責任を持たなければならない。今期、そういう場面がまだまだ続く。

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