フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

兵庫県知事を巡るトラブルについて

投稿日:2024年12月13日 更新日:

斉藤元彦兵庫県知事(兵庫県庁公式サイトより)

 兵庫県庁内の公益通報により、斉藤元彦知事が、パワハラ等の疑いをかけられ、その後、百条委員会で真相究明の動きとなり、その最中で県議会による不信任が可決され、同知事は失職、先月実施された知事選挙で、対立候補を大差で破って再選された。新聞・テレビ等のいわゆる「オールドメディア」は、事象発覚当初から、斉藤知事を一方的に糾弾する論調に明け暮れ、彼の社会的信用や人間としての尊厳を貶めるような報道を繰り返したが、結果として、兵庫県民の民意は、斉藤知事に県政を委ねることを選択した。某キャスターが、「メディアの敗北」と自嘲したが、そうではなく、「大手メディアの劣化の自己証明」に他ならないと私は断じている。

 そうはいいつつも、斉藤知事が全て正しかったなどというつもりは毛頭ない。結論からいうと、斉藤知事本人も、県議会の構成員も、メディアも、それぞれに瑕疵があり、問題を複雑化させた責任を負っていると考えている。まず、斉藤知事、当初からの言動は、明らかに人間としての未熟さを露呈している。公益通報し、その後自死した県民局長のことを「業務時間中に噓八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格だ」と切って捨てた。いくら感情的になっていたとしても、組織のトップに立つ者として、こんな発言をするべきではない。

 それから、県議会の議員達、斉藤知事が急進的な改革を進めることが彼らにとって不都合だったとしても、単なる噂話や非公式なアンケートなんかを丸呑みした形で、百条委員会を組織し、「知事がパワハラをやった」といった結論ありきの追及は論外である。結果的に、そのような確たる事案はなかったとの事実が表面化するにつけ、兵庫県のみならず、全国に恥を晒す羽目になった。その百条委員会の結論が出ない段階で、知事の不信任決議をして、知事選挙で彼らは結果的に敗北、知事追い落としに中心的だった県議は、早々に辞任・逃亡した。情けない限りである。

 加えて、新聞・テレビ等の大手メディアである。ワイドショーなどは、連日、斉藤知事に批判的な報道やコメントを量産し、名誉毀損に相当する悪罵を公共の電波で垂れ流したが、you tubeなどSNSに抗せず、某キャスターのいう「メディアの敗北」宣言に至った。もっといえば、NHK党党首の立花孝志氏一人の発信力に束になってかかっていっても勝てなかったのだ。敗北したというのであれば、メディアは、立花孝志氏たった一人に負けたというべきだろう。

 ついでにいうと、斉藤陣営の広報戦略を任されたと、その詳細をnoteで公表した、西宮のPR会社の女性社長のことである。ある情報によると、起業してから、神戸市や西宮市、広島市、藤沢市などのSNS戦略等、プロポーザルを含む数多くの行政案件で、電通や楽天などの大手と競合して受注してきたという実績を積み重ねている。かなりの遣り手だと云える。今回の知事選挙についてはポスター制作費など71万円だけもらっただけ、肝心のSNS戦略構築はボランティアでやったということで、「それならば、その実績を自社のPRに使わせてもらう」というような思いや打算の発露があの発信だったのではないかと私は踏んでいる。

 結果的に、その軽はずみともいうべき行動が、彼女にとっての「オウンゴール」となった。遅きに失するが、彼女のとるべきだった賢明な方法は、「あの広報戦略を練って、仕組みを構築したのは○○だ」ということを、本人ではなく、影響力を持つキーマンに「ささやいてもらう」ことだった。いわゆる「レピュテーション・マネジメント」である。本人がいうから「守秘義務違反」とか「業界ルールに反する」とか、果ては「公職選挙法違反」などと袋だたきに遭うのだ。その辺りは、まさに未熟そのものと言わざるを得ない。 

 以上、今回のことは、誤解を恐れずにいうと、思慮が浅く、未熟な人間達や組織が繰り広げた「馬鹿騒ぎ」に他ならない。そんなものに振り回され、選挙費用たる公金を費消された兵庫県民こそいい面の皮である。但し、立花孝志氏の「超人的な?」活躍もあって、兵庫県民は、その意思決定として斉藤元彦知事を再選した。少なくとも、彼らが主体的に情報収集し、それらを吟味、その結論を投票行動に反映させた結果であるから、これに対して、何人も異を唱えることはできない。虚実の情報が混在する昨今の社会においては、自分の五感で検証したことを、自分の頭で咀嚼し、そして自己責任において意思決定し行動しなければならないということを、兵庫県における今回の事象で身に沁みて実感した人は案外多かったのではないかと思っている。

 

-未分類

関連記事

休暇中の風景、静ヒルズにて…

常陸大宮・静ヒルズの夕暮れ前のホテルからの風景(3月16日)  昨日は、蓼科から中央道・圏央道・常磐道経由で、4時間半かかって静ヒルズに着いた。距離にして340キロ、渋滞もなく順調に車は走り、午後3時 …

人間の縁は、げに深淵なるもの

 私自身、これまでの人生で、私生活はともかく(離婚経験が複数回ある)、ビジネスにおいては、人の縁をことさら大事にしてきたと自負している。曰く、「人の縁とは、先方から切られた場合は仕方がないが、自分から …

森林環境税は悪税ではないはず

 令和6年度から、森林環境税が施行される。 個人住民税均等割に、1,000円(年間)上乗せして、 地方税として約620億円集め、それを、森林面積・人口・林業従事者数に応じて按分し、全国の市町村に配分す …

正しいことを普通に実行する

 報道によると、山梨県森林組合連合会が運営する共販所(木材市場)で、連合会自身の不正入札があり、会長以下の役員が管理監督責任をとって辞任、当該職員が停職などの懲戒処分となったということだ。明日から、山 …

安倍元首相暗殺事件、文春砲始まる

 昨年7月8日に起こった、安倍元首相の暗殺事件について、その後、大手メディアが沈黙を続ける中、週刊文春の2月16日号が、特集を組んだとのことで、早速コンビニに行き、貪るように読んだ。「疑惑の銃弾」と銘 …