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丹田に力を入れて助言する日々

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 今週は、月曜日に東京・後楽園で、林野庁事業の「顔のみえる木材供給構築事業」の今年度最後の検討会があり、検討委員として出席した。発表は15分で、質疑応答が5分程度、8案件について対面での発表と質疑だった。この事業は、どちらかというと、川中(加工側)や川下(消費側)の取り組みを支援するものだが、そのベクトルは、川上(山側)への収益還元に資するところとなっている。全国各地でさまざまな取り組みが実践されており、その動静をみるだけでも、大いに刺激になり、また、それらの取り組みによって、適正な森林整備が進み、林業の振興につながることを願わずにはいられない。

「顔の見える木材供給構築事業」検討会の様子(令和7年3月3日@後楽園)

 こういった会議の中で、留意していることは、林業専門の経営コンサルタントとしての知見をベースにした山側への指摘や助言をすることはもちろんのこと。川中の事業については、あくまで山側に軸足を置いたスタンスでの発言を心がける、そして消費側の事業については、そのスタンスのまま、一般消費者や生活者としての視点も併せ持った、さらにいうとマーケティング戦略にも知悉する者としてのコメントと助言をするようにしている。さらにいうと、堅い話になりがちな場面において、時折、ユーモアやウィットを交えた話しぶりもするようにしている。

 昨日は、事業体への助言の活動だったが、ここでは、継続的に経営改善等に取り組んでいる林業事業体の経営管理者に対して、まずは、経営に対する日々の思いというものを正面から「傾聴」しながら、適宜、個別の事情も踏まえた助言をしていく。我々が発する言葉というものは、厳密に定義され、発信する意味合いが正確に先方に伝わり受容され、意思決定や行動につながっていかなければならない。その意味でも横文字をやたらと並べることは適切なことだとは云えない。例え10分間の助言であっても、言葉数は少なくとも、相手が「そうかもしれない」「やはりそうか」などと得心して、意思決定や行動に向かっていける助言を、それが自分の役割と断じて実行しているところだ。

 「丹田に力を入れる」という言葉があるが、例えば、55年続けているギターの弾き語りでも、そうすることによって、その曲の伝わり方が違ってくるという実感がある。カラオケにおいても同じことがいえる。自分の思いや意図するところが伝わってこそ、助言というものが「成果」となっていくのであり、その意味でも、助言を構成する言葉というものの重要性は計り知れないものがある。この職業におけるキャリア26年の人間が、今更、そんなことでいいのかという思いもあるが、それだけ、この仕事には終わりがなく、奥深いものだということなのだろうと、1つ1つの案件が終わるたびに、その思いを強くしているところだ。


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