フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

小さな記事の大きな価値

投稿日:

 信濃毎日新聞の昨年12月17日付け朝刊に、「財産区有林 未来につなぐ」という4段抜きの記事が掲載された。記事の中には、いろいろなトピックスが盛り込まれているが、見出し的には「茅野の財産区 チェンソー講習に関する費用補助」ということで、ここ茅野市の財産区の森林整備への自主的な取り組みをメインで紹介している。取材を受けた、北山湯川財産区は、約600㌶の森林を有する地域でも有力な財産区で、長年、同財産区の人たちが自主的に、基盤整備や森林整備に取り組んできた。

令和6年12月17日付け 信濃毎日新聞11面の記事

 記事の最後のところで、以下のコメントがある。『カラマツ主体の財産区有林は伐採期を迎える。湯川財産区は山梨県北杜市の林業会社「天女山」の関連会社の「fewt(フュート)」(富士見町)と連携し、森林の将来像づくりも進める。両社の小宮山伸吾社長(40)は、「森を収入に結び付け、次世代につなぐことが重要・森の価値を上げていくことが必要」と指摘する。湯川財産区側の態勢づくりも進む中、「(役員)はどうしても1、2年で変(ママ)わる。腰を据えて考えていきたいと湯川財産区総代の両角政仁さん(63)』

 うっかりすると、見落としそうな部分だが、既報 のように、創業66年の林業会社天女山の小宮山社長と私は、3年前に株式会社fewt(森林から地球の未来を考えるというのが基本コンセプト)を設立して、主にここ蓼科での森林・林業の活動を模索してきた。そのfewtの社名が、地元紙である信濃毎日新聞に初めて取り上げられたということは、fewtにとって、また、小宮山社長と私並びにスタッフにとって、とても大きな出来事だった。

 同財産区の森林には、森林経営計画を樹立した上で、来年度からカラマツ林を中心に、搬出間伐や主伐・再造林など計画的な整備が始まることになっている。私自身は、自分が居住する地域において、目に見える形で森林整備や木材生産、諸利用が進み、森林の資産価値が向上し、財産区の人たちの「やる気」も上がり、それが次世代に受け継がれていく姿をみていくことが楽しみでならない。自らが居住したり活動する地域に主たる森林があるというのが「当たり前の林業者の姿」である。この当たり前のことが現実のものになったという喜びも大きい。

 北山湯川財産区人たちが長年、大事に守ってきた森林に、きちんとした使命感と技術力を持った技術者達が入って、懸命で最適な施業を遂行していく現場に立ち会うことを、今から心躍るような気持ちで待望しているところだ。

-未分類

関連記事

人間の縁は、げに深淵なるもの

 私自身、これまでの人生で、私生活はともかく(離婚経験が複数回ある)、ビジネスにおいては、人の縁をことさら大事にしてきたと自負している。曰く、「人の縁とは、先方から切られた場合は仕方がないが、自分から …

京都新聞社強欲オーナーには、哀しみしか感じない

京都新聞社本社(京都市中京区)筆者撮影  有力地方紙の京都新聞社のオーナーである、元顧問の白石浩子氏が、長年に亘り、勤務実態がないのに、総計19億円もの不当な報酬を得ていたとして、現役の記者らが同氏を …

久しぶりに日吉町森組を訪問

 昨日・今日と、関西で活動し、今日は2年半ぶりに、京都・南丹市の日吉町森林組合を訪問し、湯浅勲組合長と再会し、いろいろと語り合った。最近、完了した搬出間伐の現場も案内していただいた。湯浅さんとは、今か …

ウッドショックは山側に利益をもたらしているのか

 2年間に及んだ、コロナ禍がウッドショックなる現象をもたらし、森林・林業界にもさまざまな影響が及んでいる。最近の状況を関係者に聴くと、例えば、搬出間伐では、木材価格の上昇で、森林所有者に対する精算金が …

安倍元首相の命日に寄せて

 今日は、安倍晋三元首相の三回目の命日である。3年前の、 7月8日、11時31分、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口付近で、元内閣総理大臣の安倍晋三が選挙演説中に銃撃され死亡した日である。その状況からは、い …