フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

財産区の人達と候補地を視察

投稿日:

 ここ数日来、ここ蓼科もかなり暑い日が続いている。昨日は、(株)fewtが長期施業受委託契約を締結した、北山湯川財産区の役員の人たちと、来年度における搬出間伐や主伐等の施業予定地を検分した。同財産区は、約600haの森林を保有しており、人工林はカラマツが主要樹種となっている。林齢は、12齢級から13齢級が多く、中には100年生の林分もある。いずれも伐期を迎えており、主伐・再造林が必要な林分がかなりある。昨日は、人工林を数カ所、車を連ねて巡回し、搬出間伐や皆伐の適地を確認しながら、施業の方法、搬出した木材の利用などについて縷々話し合った。施業を担当する(有)天女山からは、長嶋部長と伊藤技術員が参加し、専門的な見地で財産区の役員達に現状や施業の方向について説明した。

北山湯川財産区の役員の人たちと現地確認

 同財産区の森林に入ってみて、改めて実感したのが、管内にしっかりした既設林道(林業専用道)が開設されていることだった。排水も工夫されていて、木材を輸送することも、重機を回送することも、軽トラックで見廻りをすることもできる。財産区の人たちが、長年、基盤整備に注力してきたことが、これをみただけでもよくわかる。但し、森林整備については、手入れが遅れていることは否めず、思い切って皆伐をして、再造林していく候補先もかなりあった。

 同財産区との取り組みは、まだ始まったばかりで、補助金を伴う搬出間伐などの施業は来年度からスタートする見込みになっている。(株)fewtと(有)天女山では、あらゆるノウハウと人的ネットワークを駆使して、同財産区の貴重な森林を再生し、次代に受け継いでもらうようにしたいとスタッフ一同、気合いを入れているところだ。行政機関との連携、木材の販路等々、いくつもの課題はあるが、持続可能な森づくりのため、また、地域振興のため、いい仕事を重ね、具体的な成果を出していこうと財産区の人たちとも目線を合わせている。

 主伐・再造林に注力していくことになれば、後続樹種の生長を見届けるためには、最低20年くらいの年月が必要になる。その時、私は87歳、すでにこの世にいない可能性が高い。ここの森林が再生されることによって、その便益を受ける人たちとは縁がないかもしれないが、そういう人たちのために、今、知恵を絞り汗をかくというのが林業におけるやり甲斐の最たるものになる。現世利益(げんせいりやく)よりも、後世利益を優先し、自分たちはやせ我慢をする。そのやせ我慢こそが、自身のモチベーションに直結するのだと思っている。

-未分類

関連記事

A猪木への限りなき憧憬

 プロレス界のスーパースター、アントニオ猪木さんが逝去した。79歳、我々の世代のヒーローであり、その信条である「燃える闘魂」は、若き日の私自身の座右の銘だった。「猪木さんのような生き方をしたい。ずっと …

正しいことを普通に実行する

 報道によると、山梨県森林組合連合会が運営する共販所(木材市場)で、連合会自身の不正入札があり、会長以下の役員が管理監督責任をとって辞任、当該職員が停職などの懲戒処分となったということだ。明日から、山 …

岸田総理襲撃事件で考えたこと

 土曜日の昼前、仕事関係の資料を作成中、突然飛び込んできたニュースに驚きを禁じ得なかった。昨年7月8日、忘れもしない、安倍元総理の暗殺事件が奈良市内で起こり、今度は、隣県の和歌山市で、現職の総理が狙わ …

東北での出張の合間に思うこと

 日曜日から、東北に入り、宮城県内での活動を続けている。今日は、移動日で、ホテルの部屋で原稿を書いたり、本を読んで過ごしたりしている。一昨日、7月8日は、安倍晋三元首相の命日だった。事件が起こった11 …

no image

オンラインによる助言の効果

 コロナ禍の3年間で、新たに生まれた仕事の手段として、「オンライン会議」「リモートワーク」といったものがある。正直なところ、zoomなどで、パソコンに向かって、オンラインでやり取りをするのは得意ではな …