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近来稀に見る暴言で辞任へ

投稿日:2024年4月8日 更新日:

川勝平太静岡県知事(静岡県庁HPより)

 静岡県の川勝平太知事は、2009年に当選して以来、4期連続で知事に就任、その間、特に、リニア関係の問題発言で、世間を騒がせてきた。御殿場を揶揄した「コシヒカリ発言」、菅前首相を皮肉った「学歴発言」等々、あんなことを、わざわざ、どうして発言するのか、そのたびに、理解に苦しんだのだが、今回の、職業差別と指摘されている発言は、誰が聞いても完全にアウトである。

 県庁に入庁し、本庁勤務となった新入職員に対する訓示の中で、彼はこう言ったのだ。「 そしてですね、そのためにはですね、やっぱり勉強しなくちゃいけません。実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。」この中の、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。」という発言が炎上の対象となった。

 川勝知事の、この訓示を文字起こしした全文を読んだが、その内容は既存の情報を適当につなぎ合わせたもので、「おれはものを知っているだろう」といわんばかりのものだが、新入職員には、それなりのものなのだろう。しかしながら、それをメディアで報道されると、ことの様相が激変するのだ。彼は、記者に対して「切り取りをされた」と強がったが、切り取りであろうとなかろうと、野菜を売ったり(八百屋のこと)、牛の世話をしたり(酪農・畜産業のこと)、モノを作ったり(製造業のこと)とは違って、県庁のそれも本庁採用の職員が「頭脳・知性の高い方たち」と公式の場で言い放ったことで、この御仁は、完全にアウトである。話にならない。

 昨日、林業事業体の経営者が、「川勝知事の発言は、一次産業に対する差別だが、林業という名前が出てこないのは、その他ということで、余計に腹が立つ」と言っていた。静岡県の統計によると、令和2年度、木材生産量が42万m3で、全国19位、製材工場数は、岐阜県・三重県・北海道に次いで、156工場と全国4位につけている。川勝知事に無視されるような規模ではない。それに、天竜地域などは、林業の由緒ある名門地域である。

 翌日の記者会見で、彼は「一次産業は大事であり、職業に貴賤はない」などと弁明したが、言ってしまった言葉は元には戻らない。普段、そう思っているから、あんな発言が出たのだ。現時点では、6月の議会まで居座るつもりのようだが、静岡県民の多くの人たちは、「一日も早く辞めてもらいたい」という気持ちだろう。学者馬鹿というか、どうしようもない御仁である。静岡県民も、こんな人物をよくも三選したものだと思う。リニアの問題は、別の意味でも悪質で、「万死に値する行為」だが、もう顔も見たくないという人が圧倒的に多いのではないか。県のトップにとんでもない人間がいたものだと改めて驚いている。

 

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