フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

別荘地における森林整備のあり方、その後の状況

投稿日:

 昨年8月2日に、このページで、現在居住している、信州蓼科の別荘地における森林整備について言及した。当初、原理原則に外れた施業をしていたので、管理会社に対して、エビデンスを示しながら強く抗議をしたところ、東京の本社からも責任者が来て、私の説明を聴き、今後の改善を約束してくれた。その後、指摘をした森林施業現場の手直しや林地残材の整理等が実施され、写真のように、それなりの形にはなった。

 私がたまたま、施業中や完了現場をみて、林業に関わっている者としての視点で苦言を呈さなければ、この現場はそのまま放置されていたに違いない。景観や防災機能の維持向上が主たる目的で、伐倒した木が下に向けて放置するなど、危険極まりないし、山深い森林ならいざしらず、別荘地で住宅やマンションがすぐ近くに建っている別荘地ならではの森林整備の手法があることは専門家でなくても、少し考えれば当たり前にわかることだ。

 放っておいて勝手に森林がいいものにはなっていかないというのは、いうまでもないことだ。人工林は、人間が人為的に山に手を加えて、そこにはなかった樹種の樹木を無理矢理に植えたのだから、その後も、手入れをし続けていかなければならない。そして、その手入れの仕方も、その森林の状況や地形、気候、目的等によって、いろいろと異なったものになる。つまりは一律ではないということだ。そして、間伐などの手入れを専門の事業体に依頼する時も、その目的や留意事項というものをよく説明して、それを踏まえた上で施業をしてもらうことが重要になる。何ら設計もせずに「丸投げ」すると、往々にして悲惨な結末を迎えることになる。

 私のような、「うるさい」別荘オーナーのオッサンがいて、今回、少しは軌道修正ができたという自負はある。嫌われても、正しいことを、きちんと正面から指摘する人間の存在は重要である。但し、やたらと文句をいう、ただのクレーマーになってはいけない。今回の教訓は、まさにそこにあるのではないかと思っているところだ。

 我が国の森林・林業においても、より多くの利害関係者にとって、正しいとされること、ベターな方向というものを、きちんと指摘し、できれば改善点まで提示していける人材の存在は、限りなく貴重である。そこには、自身の欲得は入らず、ただ、みんなのためになるということが念頭にある。行政機関にいる人も、森林所有者も林業事業体の人も一般国民も、それぞれの立場で、正しいと信じる言動をする、そして、それらが交差し共感し合うところで、あるべき森林の姿とそこに向かう森林整備・管理の方向性がみえてくる。私自身も、是非、そういう場に身を置き、自身が正しいと信じるところを提示していきたいと思っている。

-未分類

関連記事

最後の晴れ舞台と思いつつも

 昨日、東京・新木場の木材会館で開催された「令和6年度イノベーション現場実装シンポジュウム」 には、全国から260名の参加者があり、独特の熱気に包まれていた。今回のシンポジュウムでは、「 新技術が拓く …

あっという間の三週間で・・・

 5泊6日の長い出張から戻ったのが、昨日の土曜日、また、月曜日から出張ということで、束の間の休日を自宅で過ごしているところだ。昨日、午後から、久しぶりに「三井の森蓼科GC」内のゴルフ練習場に行き、30 …

no image

良き経営バランスの若手経営者に期待する

 さる3月27日に亡くなった父の埋葬があり、和歌山県・那智勝浦町の実家に滞在している。明日まで滞在して、明後日の朝、東京に向けて出発する。今回は電車での移動になるので、東京までは長旅になる。今期に入っ …

1つ1つの仕事を丁寧に遂行する

 昨年秋をその嚆矢として、この春から本格的に取り組んできた案件が、終盤に差し掛かり、現地への出張もあと2回となった。来月末には、一つの節目(マイルストーン」を迎えることになる。当社執行役員の大和田千穂 …

丹田に力を入れて助言する日々

 今週は、月曜日に東京・後楽園で、林野庁事業の「顔のみえる木材供給構築事業」の今年度最後の検討会があり、検討委員として出席した。発表は15分で、質疑応答が5分程度、8案件について対面での発表と質疑だっ …