フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

皆伐・再造林の取り組み

投稿日:

先日訪問した、長野県のある森林組合では、資源の成熟に伴い、搬出間伐をする林分が殆どなくなってきたことから、4年ほど前から、町有林や共有林を中心に皆伐・再造林の取り組みを本格化させている。林産班が、伐採・地拵え・再造林の一貫作業に取り組んでいる。再造林費の所有者負担がネックになり、個人の森林だと再造林する人は半分くらいに過ぎないということだが、日々、丁寧に説明をしながら、進めていく方針だという。

 この森林組合で取り組んでいるのは、例えば100ha皆伐をした後、1年に2ha植林して、50年で循環させていくという、いわゆる「法正林」的な林業である。いろいろと経緯があって、そうなったとのことであるが、台風や雪害などの被害がなければ、所有者にとっても、事業者にとってもメリットのある施業である。鹿の食害は、カラマツに限っては殆どないとのことだ。この取り組みがうまくいってくれたらと願わずにいられない。

 長野県には18の森林組合があり、また、民間事業体も多いが、それぞれ特色を持った取り組みをしていて、訪問するたびに、地域や個別の事情を踏まえた助言をしていかなければならないと再認識する。ただ、人材育成の重要性は共通する課題であるし、特に森林組合においては、行政機関との信頼関係に基づいた連携は必須のものとなっている。

 森林組合等林業事業体の経営支援と森林施業プランナー等の人材育成一筋で、16年間、奮闘してきたわけだが、この2つの事業領域は、私自身のライフワークとして、今後も継続していきたいと思っている。「いい人が、いい組織を構成し、いい森林を創っていく」いい森林づくりが最終的な目標であるならば、その手段として人材育成と事業体支援が重要になるのだ。

-未分類

関連記事

伝説の作家、原寮氏の逝去…それで、思い出したこと

原寮氏の最新刊 「それまでの明日」(2018年3月)早川書房刊  ハードボイルド作家として、人気のあった、原寮氏が、今年5月に亡くなった。享年76歳だった。直木賞作家だが、寡作(長編小説は6作品のみ) …

no image

ウッドショックに思うこと①

 ウッドショックという言葉が、メディア等で飛び交っている。オイルショックやドルショックといった、○○ショックという列で、外的要因による木材価格の高騰現象に宛がわれている。目新しい言葉が好きなマスコミが …

出張明け、日曜日の蓼科にて

 3週間連続の出張ということで、自宅で過ごす時間が少なく、また、梅雨時とあって、好天の日の蓼科の風情にこのところ触れていなかったこともあり、日曜日の今日は、この時季の蓼科らしい「涼夏」となり、朝から外 …

今期案件も峠を越える

 日曜日から東京に滞在している。昨日・今日と、「新たな林業経営モデル実証事業」の成果報告会と委員会で、飯田橋での会議に臨んでいる。先日の「森ハブ」イベントといい、林業の未来の姿を展望する事業であり、労 …

亡き妹に捧げるレクイエム

 妹、万里がこの世を去って、もうすぐ丸4年になる。4月14日が命日だ。先月27日に父が老衰で亡くなり、父の納骨の際に、妹の分骨を一緒に埋葬することになっている。妹は生きていれば61歳、これから人生の実 …