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林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

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森林は何を語るのか

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 蓼科に来てから、自宅回りの森林の中を散策することが、日課になり、特に天気のいい時には、思索を巡らせながら小一時間歩くのが楽しみになっている。春夏秋冬、森林はその姿、佇まいを変化(へんげ)させながら、私と向き合ってくれる。カラマツは植林したものだが、5月の連休中に、芽吹きをして、ほどなく一面、鮮やかな緑一色になる。それが9月まで続き、10月になると黄葉し、11月中に全て散ってしまう。そして、1月から3月初旬まで、ほぼ白銀の世界となる。

 その四季折々の景色を楽しみながら、1年が矢のように過ぎていく。時間の経つスピードに追いつけないことを自覚しながら、それでも日々ベストを尽くしたいと思う自分がいる。大自然の中では、人間の力など無力に近い。そして、この国という大きな塊の中でも、個人の力、特に私のような一個人の力など限りなくゼロに等しいと思ったりする。そう思いつつ「何をしたい」のではなく「何をするべきなのか」とまた自分を鼓舞したりしてる。

拙宅からみる早朝の森林の風景

 普段の思索や抱えている案件について堂々巡りになった時などは、専ら森林の中を歩き、森林と対話をすることにしている。当然、森林は何も言ってはくれない。森林は心の中の「別の声」が、自分自身に語りかける媒介となるだけだが、そのこと自体が、私にとっては珠玉の価値を持っている。別の声が聞こえた瞬間、思いがけない気づきがあったり、新たな発想が湧き出たりする。20世紀の初頭、アメリカで活躍した小説家のトマス・ウルフは、作品を執筆する前、あてどなく森林の中を歩き回ったそうだ。

 前にも書いたが、私にとって、自宅回りの森林は物言わぬ友人でもある。思い悩んだ時、気軽に会ったり電話をしたりして相談できる友人もいないわけではないが、重い話をして彼に迷惑をかけたくはない。小さな葛藤であれば、自分自身で解決するべきだと思う。少なくとも、こちらに来てから、森林を歩き、森林に語りかけることで、私はいろいろな判断をする糸口をみつけてきた。その意味で、森林は私にとってのよき「メンター」になっているのだ。

 全国各地で、そういった森林が荒れて、本来の機能を失っている。森林の機能を失うということは、すなわち、「心の拠り所」を失うのと同義だと思う。生命力が漲り、四季折々を通じて、私たち人間に多くのことを示唆してくれる、そんな森林をこれ以上、荒廃させてはならない。人間は、森林を育む大自然の中では無力で、かつ限りなく愚かだ。森林と向き合うことによって、そのことを痛感し、そこからまた次善の活動が始まるのだろう。今日は気温が低いが、いい天気になった。コーヒーを飲んでから、しばらく森林を歩くことにしたい。

 

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