一昨年10月の「日本保守党」結党以来、私は同党の党員となり、陰ながら応援をしている。代表の百田尚樹氏は、同志社大学の同窓であり、同じ関西人ということもあるが、事務総長の有本香氏も傑出した保守論者、さらに、幅広い人気を誇る河村たかし氏(現衆議院議員)が共同代表となり、党員は約7万人を誇り、同氏を含めて国会議員3人を輩出する公党として、存在感が日に日に増しているところだ。

その日本保守党が、左翼陣営からだけでなく、このところ、いわゆる保守陣営からも批判や中傷の的となり、ネット界隈での議論が喧しくなっている。その発端は、昨年4月に実施された、東京・江東区における衆議院補選に同党から立候補した、「飯山あかり」というイスラム研究者による百田代表と有本事務総長に対する誹謗中傷だった。これに相乗りする形で、保守陣営とされていた人物達が、次々と日本保守党と百田・有本氏に対する攻撃をネット上で開始したのだ。折しも、トランプ米大統領が、その「豪腕」をグローバルなシーンで展開しているところ、そんなことをしている場合かと思うが、そのバトルはかなりの盛り上がりを見せている。
私自身は、百田氏と有本氏は、保守論者というよりは、「愛国者」だとみている。この国に生まれて育ち、この国の国民や文化を愛し、それが同党のテーゼである「日本を豊かに、強く」に凝縮されている。私自身も、その基本理念に共感し、彼らの取り組みを支持し、陰ながら応援している人間の一人である。その日本保守党が、他の保守陣営や保守論者と称する者達から、総攻撃ともいえる誹謗・中傷を受けている。但し、百田氏・有本氏ともに手練れの強者で、「倍返し」の勢いで反撃していて、その点は、ある意味、心強いところがある。
右翼と左翼の語源は、18世紀末のフランス革命の際、議場において、向かって右側に陣取った人たちを右翼と呼び、左側に陣取った人たちを左翼と呼称したに過ぎないもの、その後、マルクス理論あたりが革新系のバイブルとなり、伝統を重んじる保守と対立軸を隔てる、いわゆる共産系勢力になっていったと、私はその推移から、そんな見方をしている。そして、その文脈でいくと、リベラルというのは、元々、「自由」と「寛容」を基本とする思想体系で、伝統を重んじる保守と何ら対立するものではない。
重要なのは、この国で働き、この国で生活する者として、日本という国が好きか嫌いか、この国で生きることを良しとするのかそうでないのか、あるいは、自分の息子や娘、孫達に、この国で生きていって欲しいのか否かという命題を自身に突きつけることだ。その上で、帰結するところが、全て前者だったとするならば、そうなるように、自分自身で考えて、日々の行動に移していけばいいだけのこと。そして、そのベクトルが、百田氏や有本氏が唱えている日本保守党のテーゼに同軌するのであれば、彼らの活動を支持していくということになるのだろう。そうでなければ、他の政党や思想を支持すればいいし、日本保守党など無視すればいいのだ。何も難しいことではない。極めてシンプルなのだと、私などは考えるのだが、昨今の、保守陣営における「内紛」を俯瞰していると、世の中、それでは「問屋が卸さない」人々が多分多いのだろうと思ったりする。

株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。