今週は、丸一週間、鳥取県の倉吉市内での活動となり、森林施業プランナー等の人材育成研修ということで、スタッフ4名で奮闘しているところだ。受講者は、ほぼ30歳代・40歳代で、転職組も多く、日々、数々の葛藤に直面しながら業務にあたっている人たちだ。研修は、前期・後期で5日間で、この間、講義や実習、グループワークなどを通じて、彼らをみていると、とても真面目で、日々、懸命に仕事に向き合っていることが、ひしひしと伝わってくる。やる気があるからこそ、その真面目さがいきるわけで、何をするにも、真面目さというものは、とても大事だということを実感する。

海外での動静に目を向けると、トランプ米大統領とそのブレーン達が、「世界のリーダー」たる策動を展開し、ウクライナ・ロシア、イスラエル・ハマスの紛争の終結に向けた調整や関税の発動などの経済的措置に着手するなど、目覚ましい変化が起こっている。これらの動きは、当然ながら我が国の経済や国防等にとって無関係ではないものだが、そういった超マクロな動静に無縁な我々一般庶民は、必然的に、目の前のことに注意を払い、懸命にまた賢明に生きていくことに注力することになる。
ミクロなところ、言ってみれば身の回りのことに全力投球するという営みが日常化するのは、この複雑化した現代社会において、当たり前かもしれないが、実は極めて重要な行動規範だと思っている。まずは、自分自身が明確な人生観と目標を持ち、健康管理に留意しながら目の前の仕事に注力すること、これが大事、そして、そこで得た糧でもって家族やパートナーを守っていくこと、さらには、親しい友人や知人、仲間と連携しながら、仕事を含め、地域のために役立つ活動をしていくことが望ましいと思っている。
森林・林業でいえば、森林組合や民間事業体の経営の舵取りをする経営者・経営管理者、森林所有者と向き合いながら、地域の森林をデザインし、その整備を設計管理していく森林施業プランナー、そして、個々の施業に従事する現場技能者、これらの人材の存在が重要になっていく。当社の支援の対象も、ほぼ、これらの人材や彼らが所属する林業事業体に絞られている。林業事業体については、「意欲と能力のある経営体」としての位置づけと事業を遂行し雇用を守っていくための健全経営が希求される。私がスタッフとともに臨む研修や事業体向けの助言事業も、その行き着くところはそこに収斂していくものと思っている。

株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。