蓼科東急ゴルフコースには、コース内に「鹿山神社」という小さな祠(ほこら)がある。アウトコースの5番ショートホール、ティーグラウンドの後ろに建っているのだが、私はここに来るたびに、この神社に深々と頭を垂れ、概ね2つの祈願をする。1つは、この地域で取り組んでいる森林整備が順行し、所期の目的を果たし、利害関係者の人たちにさまざまな便益をもたらすことである。そして2つめが、その成果というものを見届けるためにも、私自身が元気で、体力と知力が続く限り、仕事に邁進していくことである。

数年前に、一緒にラウンドしたある人は、「この神社は、ゴルフの神様を祀ってあるんや。祈ったらスコアが良くなるというで」と教えてくれたが、それは冗談にもならず、この神社は、諏訪大社のれっきとした小宮であり、日本三大奇祭といわれる「御柱祭り」の際には、ここで神事やお祭りも開催されている。基本的には、「無病息災」を祈願するのが筋というものだ。それと、「ゴルフがうまくなるための祈願をする神社」などとよく言ったものだ。
私は神の存在を盲目的に信じる人間ではないが、「天の啓示」や「天の意思」といったものは、確実に存在すると思っている。そして、最も大事なことは、「その人間の行動を天から誰かが必ずみている」ということである。その誰かとは、いわゆる神様かもしれないし、自分の先祖や先に天国に逝った親族や友人かもしれない。だからこそ、現世に生きる我々は、彼らから常にみられているということを意識し、真っ当な生き方をしていかなければならないのだ。
私自身、67年の人生の中で、ずっと真っ当な人生を歩んできたわけではない。反省だらけの人生だったことは否めず、だからこそ、人生の終楽章を奏でるこれからの期間は、その反省も踏まえて、「真っ当な」生き方をしていきたいと思っているのだ。鹿山神社の祠に向かって、2つの祈願をするたびに、そんなことを自分自身に確認しているのかもしれないと思いつつ、祈願した後、何となく清々しい気持ちになって、私はショートホールのショットに向かっていくのだ。

株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。