昨日、信州・蓼科から車で8時間かかって、鳥取県・倉吉に移動し、今日から森林施業プランナー育成研修に臨んでいる。今回は、メイン講師に多野東部森林組合理事・参事の浦部秀一郎さんを迎えて、横山繁樹講師、ファシリテーターは当社コーディネーターの大和田千穂さんという陣容で臨んでいる。浦部さんとは、今から19年前に、京都・日吉町で開催された、プランナー研修の前身の研修で初めて出会い、それから、親しくさせていただいている。彼は、認定森林施業プランナーの一期生であり、現在は、経営の舵取りをしている立場である。

森林施業プランナー育成に関わるようになってから、研修自体に企画段階から関わり、運営自体を主催者から任せていただくことが多くなった。そのことも踏まえて、6年ほど前から「チーム・フォレストミッション」という形で、林業を専門とする経営コンサルタントや実務者を糾合した。このチームは、言ってみれば、当社なりの社会的使命を果たすためのタスクフォースを結成し、経営改善のための助言や人材育成等に臨んでいる。
思い起こせば、自分自身が森林・林業に関わる契機になったのが、2003年に偶々、講師として招聘された、和歌山県での経営管理者研修だった。その頃、私は、神戸に居住していたが、東京に行くたびに、渋谷にある森井義之先生の事務所を訪ね、先生から経営コンサルティングについて教えをいただいていた。その中で、森井先生が、「研修という場も、我々にとってはコンサルティングそのものである」と仰ったことに、刮目したことを今でも鮮明に覚えている。
実は、今朝、明け方に森井先生の事務所にお邪魔している夢をみた。研修に臨むことになり、上記の先生の言葉を思い出したということもあったのかと思うが、改めて、その言葉の意味を噛みしめることになった。プロフェッショナルの経営コンサルタントにとって、研修という場は、対象となる企業や人たちにとって、「問題解決につながるものでなければならない」これがとても重要な肝ということになる。幸いにして、私は森井先生の教え・導きによって、早期からその肝の分を踏まえて、研修事業にも取り組むことができた。
しかしながら、あれから21年経った現時点でも、まだまだプロフェッショナルの助言者としての未熟を自覚し、さらに前に進むべく奮闘している自分がいる。プランナー育成研修においても、毎回、自身が学ぶことが多く、新たな気づきもあって、研修そのものが「生きている」ということを目の当たりにしている。「研修もコンサルティングの一環である」という、森井先生の教えは、若き日の私にとって、とても有り難い金言だった。これからも肝に銘じていこうと思う。

株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。