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自身を戒めるべき記事

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 今朝のYahoo!ニュースで、「経営のプロ」コンサルの倒産が過去最多 顧客ニーズの高度化と求められる専門性、淘汰が加速」という見出しの記事が目にとまった。東京商工リサーチがネタ元の記事ということで、早速読んでみると、その内容は、我々、中小企業診断士という国家資格を持つ者を含めた、経営コンサルタントという業種への痛烈な苦言だった。記事の中で、「 参入が容易でも、コロナ禍を経て改めて実績や特色が重視され、玉石混交のコンサル業界では淘汰が加速している。」というコメントがあって、我々の業種に対する警鐘と受け止めるべきものだと思った。

 企業の殆どの経営者は、自社の成長や生き残りについて、日々、必死で考え、外部環境の変化に随時適合すべく、経営戦略を講じている。その経営者に対して、よりベターな考え方や手法を助言し、その対価を糧にする、プロフェッショナルの経営コンサルタントとして継続的に活動し、この業界で生き残っていくのは並大抵のことではない。この記事に対するヤフコメにも「自分は中小企業診断士の資格を持っているが、独立してやっていくだけの自信はなく、今の勤務先にいることがベターだと考えている」という非常に「賢明な人」の投稿もあった。

 とてもタイムリーで、内容も正鵠を射ている記事だったので、早速、私の弟子達にも「兜の緒を締めるべき記事です」ということで共有した。この記事に接して、彼らもおそらく私と同じことを直感したに違いない。一説には、経営コンサルタントという職業の人間が、自称も含めて3万人程度いると云われている。この記事では、過去最高の154件の倒産が24年度にあったとしているが、法人化していて、そこそこの規模の倒産がその数字であって、法人化もしていない個人でやっているような経営コンサルタントの廃業も含めると、もの凄い数になるのだろうと想定しているところだ。

 経営者が自身で情報収集し、よりベターな経営の意思決定をしていけるのであれば、経営コンサルタントなどこの世に必要ないのだ。情報については、インターネットの普及やAI技術の進展などで、経営に必要な情報は殆ど入手できる。意思決定についても、一定以上の能力を持つ経営者であれば、普通にやっていくのだろう。お金を払ってまで、経営コンサルタントに依頼するということは、ごく限られているのではないかと、四半世紀以上のキャリアを持つ私自身がそう思っている。

 この記事の内容を鵜呑みにするわけではないが、今後、さらに経営コンサルタントやコンサルタント会社の淘汰が進むものとみて間違いない。生き残っていく経営コンサルタントは、「その人しかできない分析や助言能力」を有する者であり、企業や経営者が「その人と一緒に仕事をしたいと求める」ような、経営コンサルタントとしての能力と人間的魅力を兼ね備えた者だと私は考えている。そして、私自身も、この厳しい業界事情の中で、今回のようなマーケットの声を真摯に受け止めながら、その負託に応えて、より高い品質の仕事をしっかりと遂行すべく、研鑽を重ねていくつもりだ。

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