蓼科東急ゴルフコースは、東急リゾートタウン蓼科内にあり、自宅から車で1分、歩いて10分弱のところにある。18ホールの林間コースで、カラマツやアカマツ、白樺、みずなら、山桜、楓などの樹木が四季折々の景観をみせる穏やかな高原コースである。設立時の構想としては、別荘内にある高級コースを目指していたとのことで、ラウンドしてみると、確かにその思いというものを感じる部分が多い。神奈川県寒川町にある、東急の超名門コースである、300(スリーハンドレッド)CCとどこか共通する匂いというか、空気感があるのだ。スリーハンドレッドCCは、生涯メンバーを300人しか登録しないという超名門コースで、近畿放送の東京支社にいたころ、京都新聞社のオーナーだった白石古京会長がメンバーだったということで、広告主や広告代理店を招待するコンペがあり、私はスタッフとして何回か行ったことがある。
今年の夏は猛暑で、8月中はかなり暑く、ゴルフを楽しむというところまでいかなかったのだが、9月に入り季節がどんどんと秋に向かっている。今日は、午前中、自宅で雑用をした後、午後からコースに行き、ハーフラウンドに臨んだ。今日のテーマは、ティーショットにおけるフェアウェイキープ、60YD以内のアプローチショットを1ピン以内につけること、3パットをしないことの3点と設定した。1つめは、7回中5回のフェアウェイキープ、2つめは50%、3つめは3パットを2回やってしまい、結果としては半分程度のカバーだった。ゴルフにおいては、やはり、目標を設定して、そこに向けたマネジメントやプレーをするのが愉しみを増幅する要素だと思っている。
このコースは、一見簡単そうなのだが、微妙に傾斜やアンジレーションがあり、グリーンも独自の癖があって、なかなか侮れない難しさがある。一打一打、丁寧にプレーしないといいスコアに結びつかない。ゴルフにおいての醍醐味の一つは、仮説を立てて、それに基づいたショットやパットをして結果を勝ち取っていくというものだ。それは、90回なら90回全てのプレーに共通するもので、それぞれの仮説をいかにその通りの結果にするかというところに妙味がある。
1サムでラウンドすると、時間に余裕があるので、ディボットに目土をしたり、グリーンのボールマークを直したり、ゴミを拾ったりすると、心に余裕ができて、穏やかな気持ちになる。そして、目の前のカラマツや白樺などの樹木にいろいろと話しかけることもまた心を穏やかにする作用がある。ゴルフは、コースとの対話であり、自分自身との対話でもある。アマチュアゴルファーにはミスはつきもので、仕方のないことだが、ミスの原因を究明しながら、次のプレーに活かしていくということも大事だし、結果についても「あるがままに受け入れる」という謙虚さがゴルファーとしての要件になる。
ハーフラウンドの2時間余りの空間と時間は、珠玉の価値をもっている。ラウンドを終えると、クラブハウスの風呂に入り帰宅する。午後1時過ぎにスタートして2時半に上がり、3時過ぎには帰宅するというパターンで、帰宅後も資料づくりなどの仕事ができる。疲れも殆ど残らないので、このハーフラウンドは、とても気に入っているところで、老後はこれに限るとさえ思っている。自宅から車で1分のところに、こんないい場所があるという僥倖に感謝したいと思う。
株式会社フォレスト・ミッション 代表取締役、林業経営コンサルタント、経済産業大臣登録・中小企業診断士
我が国における林業経営コンサルティングを構築した第一人者であり、これまで460超の林業事業体の経営コンサルティングに携わる。2015年から、活動拠点を東京から信州・蓼科に移して活動中。