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蓼科東急サロンという「楽園」

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 蓼科東急リゾートタウンに移住してから今年の10月で丸9年になる。個人的には、蓼科の地や長野県とは縁もゆかりもなかったのだが、10年前の秋に、鹿島建設の石川洋さん(現副社長)に誘われて、この地を訪れた際、妻が蓼科の佇まいを大変気に入り、会社の保養所として、タウン内の小さな部屋を購入したのが、蓼科と関わる嚆矢になった。そして翌年の10月、活動と生活拠点をここに移した。それから「光陰矢のごとし」、あっという間に9年という歳月が過ぎた。

 今回、蓼科東急サロンでのスピーチの依頼があり、9月-11月は、「森林への理解を深める」というテーマということで、登壇の機会を与えていただいた。この蓼科東急サロンは、別荘オーナーが発起人となって、ここで暮らす人、訪れる人に広く開かれたコミュニティを育むことを目的に、今年1月に設立された「談話サロン」である。「人生をおもしろくする、やわらかな学びをご一緒に」というフレーズがチラシに記載されているが、こういった意義ある催しにスピーカーとして招いていただいて、とても嬉しく思っている。

 私が登壇するのは、9月12日(木)17:00-19:00である。トークのタイトルは、「世界と日本、そして蓼科の森林・林業を俯瞰する」ということで、メモ程度の資料で、2時間、問わず語り的に話をすることになっている。会場は、先々月、タウン内にオープンした「TENOHA蓼科」で、森林の中、そしてカラマツの香りが心地よい空間で、森林・林業の話をするという、私にとっては「最高の舞台」で、自らの事業領域の話ができる機会に恵まれた。

 ここ東急リゾートタウン蓼科には、 約660ヘクタールの森林の中に、1200戸の別荘と70棟1186戸のリゾートマンション(ヴィラ)があり、長野県でも有数のリゾート地となっている。ここには、ホテルやゴルフコースもあり、5月のゴールデンウィークから紅葉が見頃の10月末くらいまで、多くの人出で賑わう。そして、多くの別荘オーナー達が、ここに集い、暮らし、この別荘地の歴史を培ってきた。確かに、ここには四季折々の風情を満喫できる魅力がある。

 この東急蓼科リゾートタウンの魅力を支えているのが、660ヘクタールの殆どを占める森林である。樹種は、カラマツ、アカマツ、白樺、みずならなどであるが、この森林が健全で持続可能であってこそ、このリゾート地の価値というものが維持され、また向上していくのだ。特に、人工的に植林したカラマツ林については、植えてから60年以上経っており、景観や防災の側面からも、計画的な手入れが喫緊の課題となっている。

 「まずは、自分の身近なところから始める」というのが、社会貢献のあるべき姿だと思いつつ、これまでは、林業経営コンサルタントとして、全国各地に赴き、事業体の支援や人材育成等に邁進してきた。しかしながら、この歳になって、そして、ここ蓼科に住んで、ようやく、そういった本来の活動ができるようになってきたことを嬉しく思うとともに、これまで殆ど交流のなかった、別荘オーナーの心ある人たちとも、今回のことを契機にして、蓼科を、そして人生を語っていければ幸いだと思っているところだ。

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