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「心の友」がいない寂しさ

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 今日は、学生時代からの親友だった伊住政和君の命日である。存命であれば、61歳になっている。茶人としても、文化人としても、まさに、これからが旬という年齢である。それなのに、彼は17年前、44歳という若さで逝ってしまった。今朝、彼の姿が夢枕にあった。命日に彼に会えるというのは、まだ、どこかでつながっているのだということで、一瞬、嬉しい気持ちになるのだが、夢の中では、この世の人であっても、現実に彼と会うことはもうない。

故伊住政和氏

 伊住政和君とは、同志社大学文学部2年の時、英語の授業で初めて会った。英語での自己紹介で、私がプロレス好きだと知って、彼の方から「ぼくもプロレスファンだ」と声をかけてくれた。それから1ヶ月間くらい、彼は茶道裏千家家元二男だということを、私には言わずに、下鴨にあった私の粗末な下宿の部屋に来てくれたり、近所の学生食堂に一緒に行ったり、銭湯にも彼を連れて行ったことがある。私はてっきり、彼のことを韓国か中国の留学生だと思い込んでいたのだ。

 彼は一言でいって、大らかな性格、面倒見がよく、アイデアマンで、行動力のある人だった。そして、何よりも「やさしい」人だった。私のような、どこの馬の骨ともわからない人間にも、友人として真摯に向き合ってくれたし、私が独立したものの、苦闘している時にも、いろいろと励ましてくれた。逆に、自分自身の悩みを私に打ち明けてくれて、私がそれに対して助言したこともある。同志社プロレス同盟という、学生プロレスの草分けとなったクラブも彼と私の友情が生み出したものだ。

 夢に出てくる彼は、歌舞伎役者顔負けの男前で、声優みたいないい声をしている。あんなに多くの才を備えている人に、これまで会ったことはない。但し、命だけは、普通の人の半分しか彼には与えられなかった。彼がもし生きていたら、と思うことが何度もあって、その仮想空間の中で、私は彼とゴルフをしたり、酒を酌み交わしたり、破顔一笑しながら、アホな話をしたりしている。そんな風景を夢想する時、私はこの上もなく幸せな気持ちになるのだ。

 人間の一生に、親友と呼べる友は1人いればいいとよく言われる。彼の方はどう思っていたのかわからないが、私にとっては唯一無二の親友だった。彼のような素晴らしい人に巡り会えて、親交を結ばせてもらったことは、私の一生の財産だと思っている。春になって、出張シーズンが一息ついたら、彼が眠る京都・大徳寺に墓参りに行くつもりだ。物言わぬ「我が心の友」の墓前で、自分自身の「素の言葉」を語る時間を密かに楽しみにしている。

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