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ずっとあの頃のままで・・・

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 先週の水曜日、東京・西麻布で、音楽評論家の富澤一誠さんと10数年ぶりに歓談し旧交を温めた。富澤一誠さん(以下一誠さんと呼ばせていただく)とは、私が近畿放送東京支社に勤務していた、今から34年前、28歳の時に初めてお目にかかった。仕事でお目にかかったのではなく、一誠さんの著書に感銘を受けた私が、出版社経由で一誠さんに手紙を書き、それを読んだ一誠さんから電話があって、六本木で食事を一緒にさせてもらったのが最初だった。

 富澤一誠といえば、音楽評論家として業界の第一人者で、東京大学を中退してその道に入ってから48年になる。「僕は一度もどこかに勤めたことがないんだよ」と一誠さんは笑うが、ペン一本で50年近くも音楽評論家として第一線で活躍し続けていることは驚異的で、どこにその秘訣があるのか、私は一誠さんのことを思い浮かべるたびに、そのことを考えたりする。

富澤一誠さん(左)と久しぶりの歓談

 話は専ら、一誠さんのテリトリーであるニューミュージックのことになった。吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫、アリスといったトップアーティストたちを一誠さんは、48年間ずっと見守り続け、評論し続けてきた。「一誠さんは、いつまでこの仕事をされるのですか?」と質問すると、「僕は彼らの従軍記者だと言ってきたし、最後まで彼らの活動を見届けるのが自分の使命だと思っている」ということだった。そういう格好いいことを、さらっと言えるところが一誠さんらしいのだ。

 10数年ぶりに会ったというのに、特に違和感もなく、一誠さんとの話は3時間余り、淀むところなく続いた。とても楽しい時間だった。その夜中に水戸に行かなければならず、午後10時前には失礼したのだが、私自身、何とか生き残って、一誠さんと楽しい時間を過ごせたことが、とても嬉しかった。そういえば、26年前、近畿放送を退職して独立した際、一誠さんは東京で私を激励する一席を設けてくださった。やさしい人なのだ。私は正直、一誠さんを一個の人間として、また、人生の先輩として尊敬している。

 一誠さんの座右の銘は、「努力し続けること自体が、すでに才能」ということだ。1つのことを長く続け、深めていくこと、それが、きちんとマーケットに認められる。常に自然体、気取ったところもなく、音楽評論家として直球勝負、一誠さんは、半世紀という長い時を、ブレずに生きてこられた。私は自分の道をみつけてやっと15年程度、独立してからでも26年に過ぎない。まだまだ半端者である。富澤一誠という偉大な人と再会し、自分の分野でまだまだ、やらなければならないと思った夜だった。

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