フォレスト・ミッションBLOG

林業の産業としての自立、そして林業に従事する人たちが誇りを持てるように、私たちは、自らが信じる、森林・林業のあるべき姿を、林業関係者の皆様と一緒に創造していきます。

未分類

新年の想い・・・未熟の晩鐘

投稿日:

 年を追うごとに、師走や正月といった雰囲気が薄れてくる。その中で、新しい1年を迎え、また1つ歳をとる。人間の成長は、一般論では時間が経つ速さに追いつけない。そのギャップが「未熟」「未完」といった言葉で表現される。その文脈では、人間は一生未熟であり、それは、おそらくこの世を去るときまで、その状況は終わることはないのだろう。

 小椋佳というシンガーソングライターの曲は、中学1年の時からもう50年近くずっと聴いている。この人は、銀行員との兼業時代から「知の彷徨」をしている吟遊詩人だと評価し、面識はないが、密かに尊敬している人だ。一ファンといってもいい。この人は「シクラメンのかおり」とか「愛燦燦」といった超名曲をいくつも世に送り出している。私が個人的に好きなのは、初期の頃のアルバムに収録されている曲で、「旅支度」「心の襞」「花化粧」といった曲だ。

 その小椋佳さんの最近の曲に、「未熟の晩鐘」というものがあって、その詞の中に次のようなフレーズがある。「未だ 教えを 説く期 熟さず 悟りとは 無縁の 未熟を愉しむ」私なりに解釈すると、「歳をとっていろいろな経験を積んできたけど、人に教えを説く時期はまだ熟していない。むしろ、そういうものとは無縁の未熟というものを自分自身が愉しんでいるところがある」となる。

この道はどこに続くのか

 自分自身、人間としてもビジネスマンとしても、そして指導者としても、また、生活者としてもまだまだ未熟だということを、歳を重ねれば重ねるほど、活動を深めれば深めるほど痛感し、また、その先のあるべき姿に向かうという営みをずっと続けているような気がする。そんな未熟者の私にとって、小椋佳さんの「未熟の晩鐘」のフレーズは、ずっしりと心の中に根を下ろしている。

 我が国の林業という業界も、他の業界同様、まだまだ未熟な業種である。特にビジネスという側面ではそれが顕著だ。しかし、その未熟さ、至らなさを自覚し、あるべき姿に向かって改善の努力をしていけば、もっと良くなるという希望がある。その点、未熟を恥じることなく、明確に認識して、前に向かっていく行動こそが重要だと考えている。「終わりなき改善の取り組み」が、また新たな希望を生み、前進するためのエネルギーを創造していくのだと思う。

-未分類

関連記事

森林施業プランナー育成に関して想うこと

 民有林において、一定の集約化をした上で、森林整備(≒木材生産)及び森林管理を担う森林施業プランナーの育成が始まったのが、平成19年度(事実上はその前年度)だったから、この取り組みはまもなく丸13年に …

東京都知事選挙について

 一昨日、東京に出張した際、都知事選挙の立候補者のポスターを貼った看板が目に入った。私は、東京都民ではないので、直接関係はないが、かつて、都民だった時代も、通算で8年ほどあり、我が国の首都の首長を決め …

蓼科東急オーナーズサロン開設

 9年前から居住している、蓼科東急リゾートタウンの中心部に、新たに「オーナーズサロン『tenoha』が新規オープンした。一昨日、早速行ってみると、内装は、ここで搬出した間伐材をふんだんに使い、とてもい …

自らの存在理由と使命を自覚しつつ日々活動を続ける

 例年、4月と5月は仕事が少なく、6月の声を聞いてから、いろいろな案件が動き出すのが常になっているが、コロナ禍のさ中にあったこの2年余りは、社会そのものの経済活動が停滞し、私の活動も例外ではなかった。 …

「施業現場をみる」ということ

 経営コンサルタントとして、森林・林業界に関わって、丸20年になる。その嚆矢は、2003年11月に和歌山市内で開催された、和歌山県森林組合連合会主催の経営管理者研修に講師で呼ばれたことだった。1999 …